ぷらっとトラバース 第34座

三本槍岳

( さんぼんやりだけ) 1,917m 関東百名山 日本百名山
栃木県那須塩原市、福島県西白河郡西郷村
変化に富んだ縦走路を歩いて那須連峰の最高峰へ
体力 :
難易度:
満足度:
(写真: 1900m峰から眺めた三本槍岳(奥の鋭峰は旭岳))

登山記録

登山日 2015年5月23日(土)
天気 晴れ
駐車場 那須ロープウェイ山麓駅駐車場
コース 登山: 山麓駅駐車場(8:55)⇒峰の茶屋跡避難小屋(9:55)⇒朝日岳(10:55)⇒熊見曽根(11:15)(30分休憩)⇒三本槍岳(12:45) / 230分
下山: 三本槍岳(13:15)⇒峰の茶屋跡避難小屋(15:05)⇒山麓駅駐車場(15:50) / 155分
next 翌週日留賀岳

写真 山麓駅駐車場⇒朝日岳⇒熊見曽根

那須岳登山口

県道終点の峠の茶屋駐車場は8時半で満車だったため、その下のロープウェイ山麓駅の駐車場に車を止める。峠の茶屋駐車場から少し入った所に那須岳登山口がある。これより登山開始。

中の茶屋跡

登山口からしばらくは、展望の利かない道を登る。階段が多く、やや急な登りだが、20分も登ると森林限界を超え、視界が急に広がる。ここは中ノ茶屋跡という所であるが、現在は何の跡形も無い。

雪渓跡

峰ノ茶屋跡までもうすぐの所。2週間前に茶臼岳に登った時は、雪渓があった場所だが、2週間でほとんど消え去っていた。

剣ヶ峰・朝日岳

峰ノ茶屋跡は茶臼岳からの合流地点であり、大勢の登山者であふれかえっている。ここからは剣ヶ峰(左)と朝日岳(右)が間近に見える。朝日岳への岩峰に胸を躍らせる山野であった。

雪渓

剣ヶ峰直下。今回、唯一雪渓の残っていた箇所。戻って来られる登山者を待つためしばし休止。踏み跡はしっかりついているが、そこへの下り・登りが急で滑りやすいため、木の枝をつかみながら、慎重に進む。

岩場

朝日岳に向かう道への最初の岩場。ただし、岩が階段状に積み上げられており全く問題ない。不安な人は、鎖を握ればよい。

岩場2

さらに岩場は続く。ただし、それほど急な斜度ではなく、足場もしっかりしているため、危険性は低い。

トラバース

岩場を登りきると、トラバース気味に進む。左側は切れ落ちている箇所もあるが、足場は十分しっかりしている。要所要所に鎖もある。

ザレ場

朝日の肩への最後の登り。ゴロゴロした岩の間を登るが、ザレ場であり非常に滑りやすい。ここが一番危険な箇所かもしれない。

朝日の肩

ザレ場を登りきったところが朝日の肩と呼ばれる開けたところ。ベンチもあるため、休憩するにはもってこいの所だ。朝日岳もう目の前。

朝日岳への登り

朝日の肩からも見えているピークが朝日岳だ。時間にして10分ほどで登頂できる。朝日岳直下には、短いが岩場がある。さほど危険ではなく、ペンキのある場所を慎重に登ればよい。

朝日岳より茶臼岳

まもなく朝日岳山頂到着。岩がゴロゴロした狭い山頂で、登山客でごった返している。が、眺望は360度開け、最高のパノラマが楽しめる!まずは、南側の茶臼岳。

朝日岳より流石山・大倉山・三倉山

朝日岳より西方面の流石山・大倉山・三倉山を望む。左奥の雪に覆われているのは、尾瀬燧ケ岳・会津駒ケ岳の山々か?

1900m峰・三本槍岳・旭岳

旭岳から北側を望む。左のなだらかなピークが1900m峰。その少し右にちょこんと突き出たのが三本槍岳。その右の鋭いピークが旭岳。三本槍岳はまだまだ先だ。展望を十分に楽しんで先へ急ぐ。

写真 朝日岳⇒三本槍岳⇒山麓駅駐車場

熊見曽根からの朝日岳

朝日の肩まで戻り、三本槍方面へ。少し登り返した所が熊見曽根。朝日岳を振り返るとこんな形。茶臼岳方面から見た印象と全く異なるのが不思議だ。人が少なかったので、山野はここで昼食を取った。

1900m峰からの三本槍岳

熊見曽根を少し下りて、登り返したなだらかなピークが1900m峰。ようやく三本槍岳の姿をはっきりと確認できた。1900m峰周辺は広いスペースがあり、ここで食事を取っている方がたくさんいらっしゃった。

熊見曽根からのパノラをお楽しみください
熊見曽根からのパノラをお楽しみください

清水平への下り

1900m峰からは岩がゴロゴロある急な斜面を下る。その先が清水平だが、今までとは全く異なり、高原状の明るい縦走路となる。

清水平

清水平は湿原で、木道が設置されていますが、この日は水も無く残念ながらあまり湿原という感じでは無い。ただ、こういう開けた場所は気持ちが良い。

クマザサ・ハイマツ

今度は打って変わって、クマザサ・ハイマツの低樹林帯の中を進む。標高差100mぐらいの間を歩いているのに、こうも景色が変わるのは珍しい。

シャクナゲと三本槍岳

縦走路ではツツジ(ムラサキヤシオ?)や山桜も咲いていたが、このシャクナゲが一番きれいだった。三本槍岳も近い。右側の盛り上がったところが山頂。いったん岩がある斜面を下りる。

急登

遠くから眺めると、三本槍岳山頂への斜面は緩やかな登りかと思っていたが、意外や意外。段差の大きい階段を登る。今回、一番きつかった登りだ。

あと一息

登りきった!と思ったら、山頂はもう少し先。ただし、この先はそれほど急ではない。

三本槍岳山頂!

ゆるやかに登ると、最後はあっけなく三本槍岳山頂に到着!写真左奥は流石山~三倉山。写真には写っていないがすごい人混みだった。50人以上はいたと思う。

縦走路を振り返る

今まで歩いてきた、那須連峰の南側を振り返る。左側に1900m峰の向こうに、乳首のようにちょこんと突き出たのが朝日岳。そして中央の茶臼岳は那須連峰の盟主という名にふさわしい堂々とした山だ。展望を楽しんだら、来た道を戻る。

最後に三本槍岳からのパノラマをお楽しみください
最後に三本槍岳からのパノラマをお楽しみください

感想

1900メートル峰までの岩稜帯、清水平付近の湿原、その先三本槍岳まではハイマツ・クマザサ・シャクナゲ等の低樹林帯と、変化に富んだコースです。先日登った茶臼岳と合わせた総称が那須岳で、日本百名山にふさわしい素晴らしい山行が楽しめます。

那須岳縦走フェスティバルというイベントがあったため、登山者はかなり多く、三本槍岳の頂上は登山者(50人ほど?)で埋め尽くされていました。

朝日岳は縦走路から少し離れた所にありますが、ぜひ登ってください。那須連峰随一の360度の大パノラマが広がります。

参考情報

県道の終点にある峠の茶屋駐車場は8時半で既に満車だったため、ロープウェイ山麓駅の駐車場まで引き返して駐車しました。

トイレは山麓駅・峠の茶屋駐車場にありますが、それより上には一切ありません。

5月下旬ですが、峰ノ茶屋跡避難小屋から朝日岳の間に、一箇所雪渓が残っていました。踏み跡がついているので、アイゼンはなくても歩けますが、踏み跡が浅い所もあるので、慎重に歩いてください。

朝日岳への登りは、見た目ほど危険ではありません。ただし、足元が切れ落ちたトラバースや、非常にすべりやすいザレ場もありますので、慎重に歩く必要はあります。