ぷらっとトラバース 第46座

皇海山

( すかいさん) 2,144m 関東百名山 日本百名山
栃木県日光市、群馬県沼田市
長い林道と危険コースの先にある困難な山
体力 :
難易度:
満足度:
(写真: 皇海山山頂)

登山記録

登山日 2015年8月2日(日)
天気 晴れ時々曇り
駐車場 皇海橋駐車場
コース 登山: 皇海橋(8:25)⇒中間点(9:10)⇒不動沢のコル(9:50)⇒皇海山山頂(10:40) / 135分
下山: 皇海山山頂(11:15)⇒不動沢のコル(11:45)⇒中間点(12:15)⇒皇海橋(12:50) / 100分
next 翌日、袈裟丸山

写真 皇海橋より 皇海山を往復

林道入口

皇海山の登山口皇海橋へは、北側から、南側からの林道がありますが、いずれも約20キロの未舗装を走る必要がある。比較的安全らしい南の根利側から林道に入ることにした。入って早々現れるのがこのゲート。熊出没注意の文字があり、クマ避けのゲートらしい。通常は閉まっており、車が通る時に開けて、通り過ぎたらまた閉める。こういうルールは必ず守りましょう!

林道

林道は、未舗装の道路です。ところどころ、くぼみ・水溜り・轍があったり、落石がころがっていたり、路肩が崩れていたりします。窪みや落石などは、できるだけうまく避けて進もう。ずっとこういう道ばかりではなく、へピンカーブなどはないので、思ったいたよりは走りやすかった。(最悪な道をずっと頭に描いていたので・・・)
20キロは長いが、車のメーターで距離を覚えておいて、半分来た!残り4分の1!などと確認すると、精神的には少し楽になると思う。でも、やっぱり疲れる。。

皇海橋(標高: 1,350m)

20キロ走りきると、駐車場のある皇海橋に到着。長かった。一つ山を登ったぐらいの精神的疲れ。。
この先に橋があり、その向こう側にはトイレと入山届のポストもある。登山道入口はこの駐車場のすぐ目の前。ようやく登山開始!

入山

皇海橋の登山道からは、しばらくは林道のような道を登るが、この箇所を左に入って本格的な登山道となる。

川を渡る

しばらくすると、川を渡る所がある。うまく石を辿れば、水に濡れずに対岸に渡ることができる。

森の道

しばらくはこういう森の中の道を登る。ピンクのマーキングが豊富にあり、登山道もよく整備されていて、道を間違えることは無いだろう。

川を渡る(2回目)

2回目の川渡り。この後も何度か川を横切るが、全て岩の上を歩けば水には濡れない。夏であれば、あえて濡れるのも気持ちいいけど。。

中間点(標高: 1,600m)

川のせせらぎを聞きながら森の中の道を気持ちよく進むと、やがて少し開けた中間点とされる所に到着。ただし、この中間点は、距離の中間であって、時間・標高という点ではまだ3分の1しか登っていない。。

沢登り(?)

ピンクのマーキングを辿って登り続けると、この先は沢を登るコースとなる。ここは、渡良瀬川の源流に近いところ。水量はあまりないが、チョロチョロ流れる水に濡れながら、岩の道を登っていく。一瞬えっと思ったが、慎重に歩けば、特に危険ではない。あまりこういう道も記憶が無く、新鮮な体験であった。

ガレ場

やがて、沢の水が涸れそうなったあたりで右に入る。せっかくマーキングはたくさんあるのに、この肝心なポイントが分かりにくかったのは残念。(少し迷ってしまった)

危険箇所

写真ではうまく伝わらないが、この辺りが危険箇所。まず、足場のザレがもろくて滑りやすく、しかも急坂。また、ロープはあるものの、登山道のはるか上(2メートルぐらい)だったり、さらに、この段差の大きい木の根(1メートル以上)があり、うまく手がかり・足がかりを探さなければならない。今まで登った山の中でも最も身の危険を感じた場所の一つだ。

不動沢のコル (標高: 1,860m)

危険な登りを無事に登りきると、まもなく不動沢のコルに着く。ここは、庚申山からのコースとの合流点でもあり、すこし展望が開ける。

鋸山

不動沢のコルから見えるのが鋸山。その名前からイメージされる通り、ギザギザ尖ったピークが連なっている。

皇海山への登り

不動沢のコル左に曲がると、皇海山への最後の登りとなる。しばらくはなだらかな登りであるが、こういう岩場が出てくる。危険な箇所ではあるが、先ほどのザレの登りと比べると、こちらの方がはるかに安全。とは言え慎重に登ろう。

皇海山山頂 (標高: 2,144m)

ロープのある岩場を2箇所通過すると、ゆるやかな登りとなり、まもなく皇海山山頂、標高2,144メートルに到着!情報どおり、やはり展望はない。しかも、予想していたよりも、小さな山頂であった。この『渡良瀬川水源碑』という山頂碑だけは、なぜか感慨深いね。

おまけ

山頂にいた方にとってもらった写真。。山野が登頂した時点で1人、しばらく後から4人のグループが来られました。この日出会った人は全部で30人くらいかな。日曜日の日本百名山にしては、静かな山でした。

最後に皇海山山頂の雰囲気をお楽しみください。
最後に皇海山山頂の雰囲気をお楽しみください。

感想

ネット上ではあまり評判の良くない皇海山ですが、、山頂からの展望は無いものの、沢登的なコースや、急な岩場・ザレ場と変化のあるコースで、純粋に登山としては結構楽しい山だと思いました。

ただし、皇海橋までのアクセスは、整備されていない林道を車で20キロも走らないといけないことや、不動沢のコル下の危険箇所は、一般の人を遠ざけている原因かもしれません。

でも、まぁ、そんなあまり手のついていない山があってもいいんじゃないでしょうかね。

参考情報

登山口の皇海橋までは、北の吹割の滝方面からのルートと、南の根利方面からのルートとがありますが、いずれも未舗装の林道を約20キロ(1時間近く)走る必要があります。根利からの道の方が多少安全とのことですが、途中、落石や路肩が崩れている箇所もあり注意が必要です。私のようなセダン車でも、この日は問題なく走れましたが、車高の高い4WDの車の方が無難でしょう。
林道は大雨などで通行止めになることも多いそうです。お出かけの際は沼田市のページなどをチェックしてください。

駐車場は皇海橋の南側に10台、北側に20台ほどのスペースがあります。トイレと入山届ポストは、橋の北側にあります。

マーカーがたくさんあり、登山道は整備が行き届いている感じはします。ただし、不動沢のコルの下のガレ場は、かなり崩壊が進んでおり、ロープはあるもののかなり危険です。また、不動沢のコルから皇海山までも急な岩場がありますが、こちらは慎重に進めば問題ないでしょう。

昔は、東の庚申山からのコースが一般ルートだったようですが、非常に時間がかかるのと、岩場・藪こぎ等の危険箇所もあるため、現在は、皇海橋からのルートを使う方が一般的なようです。

熊に注意の看板が多数ありましたが、私は帰りの林道でクマに遭遇してしまいました。こちらは車ですし、すぐに向こうが立ち去ってくれたので難を逃れましたが、登山時は、必ずクマ鈴を鳴らして歩いてください。