ぷらっとトラバース 第78座

二子山

( ふたごやま) 1,166m 関東百名山
埼玉県秩父郡小鹿野町
鎖・ハシゴの無い垂直の壁を登る最凶の岩場
体力 :
難易度:
満足度:
(写真: 二子山西岳山頂)

登山記録

登山日 2016年6月11日(土)
天気 晴れ
駐車場 登山口付近の駐車場
コース 登山: 二子山登山口(7:45)⇒股峠(8:25)⇒二子山西岳(9:05) / 1時間20分
下山: 二子山西岳(9:15)⇒股峠(9:35)⇒二子山登山口(10:05) / 50分
next 妙法ヶ岳

山の紹介

二子山は秩父の西、埼玉県と群馬県の県境に位置する山です。石灰岩でできている山で、1,000メートル余りの低山の割には険しい岩場があります。特に、西岳への上級コースは鎖・ハシゴの無い垂直の岩場を登る必要があり、真の上級者向けのコースと言ってよいと思います。

写真 上級コースで二子山西岳へ

二子山登山道入口 (標高: 620m)

二子山登山道入口は、国道299号線から民宿登人の近くで林道を右入ってすぐのところ。少し先に、2,3台ほどのスペースの駐車場があります。

カウンター

登山道入口には、入山人数を測るカウンターがあります。少し前の両神山、この後登る妙法ヶ岳と、秩父の山にはカウンターが設置されているところが多いようです。ちなみに、下山時には402でした。静かな山ですね。

沢沿いの道

登山口からしばらくは、森の中の沢沿いの道を登ります。展望はほとんどありません。
登山道は明瞭ピンクのマーキングも多数あって道を迷う心配はあまりないかと思います。

ロープ

ただし、ところどころ崩れかけている道や、滑りやすい斜面もありますので、要注意。要所要所にロープも取り付けられてあります。

股峠(標高: 970m)

登り切った所が股峠というところ。二子山には東岳と西岳と2つのピークがありますが、今回は西岳のみに挑戦します。西岳は左側に進みます。

二子山西岳案内図

西岳へは、上級コースと一般コースの2つの道があります。上級者コースは、途中ほぼ垂直なように描かれていますが、これは誇張ではありません!転落・滑落事故も多数発生しているようで、初心者だけで決して行ってはいけないコースです。

上級コース分岐

ネットを調べていると、上級コースの入口が分からなかったという書き込みにいくつかありますが、実は、指導標がない場所にひっそり分岐があります。
注意していないと右側に行ってしまいそうですが、そちらは一般コース。よく見ると、左側にもマーキングがあり、そちらが上級コースです。とにかく、左に入ることを意識してください。

分岐2

その上にもう1つ分岐があります。ここにははっきりとした指導標がありますが、その前の分岐で間違うと、ここに来ることはできません。。

鎖撤去の案内

(ブレた写真で申し訳ないですが、)以前、安全のため鎖を設置したところ、登山者からは、
(1)鎖が多すぎる、付け過ぎだ。
(2)鎖は必要ない。
(3)鎖が取れたら、責任取ってくれるのか。
など不評だったため撤去したのだそうな。。危険度は高まりましたが、おかげで、岩登りのスリルを存分に味わうことができます。

岩場入口

ここから岩場がはじまります。最初はトラバース気味の岩場。ペンキに従って進めばよいです。

ペンキ

要所要所にマーキングやペンキがあります。また、鎖は撤去されたものの、鎖を取り付けていた金具が残っていますので、それらを目印に進みます。

核心部入口!

そして、垂直の岩場の始まり。垂直の岩場といっても、はっきりとしたホールドは豊富にあり、しかもしっかりとした岩です。きっちり3点支持ができれば、垂直の壁も実はほぼ問題なく登れます。
むしろ、怖いのはルートを間違うこと。足場が見えないため、登るよりも、降りるのがかなり困難です。1箇所、道が分かりにくいところがあり、自分も登るのをしばらく躊躇しました。マーキング・踏み跡によーく注意しながら登って下さい。
なお、この後しばらくは、緊張のあまり写真を撮る余裕がありませんでした。本当の核心部の岩場をお見せすることができません。。

ピーク

岩場が終わって小高いピークへ。山頂と思ったが、ここはまだ山頂ではない。でも、西岳山頂はもう目の前

一般コースとの合流

少し先に進むと、一般コースからの合流点。上級コースは終了!

鎖場

しかし、岩場・鎖場はなおも続きます。一般コースとは言え、普通の一般の人が気軽に歩ける道ではありません。

二子山西岳山頂 (標高: 1,166m)

そして、二子山西岳山頂、標高1,166メートルに到着!危険なルートを制覇した後は、大パノラマが待っています!南側の秩父の山並みが美しいです。

二子山西岳山頂からのパノラマ
二子山西岳山頂からのパノラマ

叶山

西岳のさらに西のピークの向こうに、白くなっている箇所があります。ここは叶山という山。昔はこの山にも登れたらしいですが、武甲山と同様、石灰岩の採掘のために削られて山は低くなり、入山も禁止だそうです。削られた石灰岩は地下のベルトコンベアで秩父まで運ばれ、セメントの原料になっているらしいです。まさに自然破壊とも言えますが、これが我々の生活に役立っていることも忘れてはなりません。

一般コース

下りは一般コースを下ります。さすがに、上級コースを下りるのは私の技術では不可能なように思いました。
一般コースと言っても、鎖場もあり、そう容易い道ではありません。

感想

噂どおり、上級コースの垂直の壁は凄まじいです。垂直といっても本当に斜度90度ではありませんが、部分的には80度ぐらいあるのではと思われます。ただし、凄く危険かと言われると、岩登りの基本がしっかりしている人であれば問題はないとは思います。

でも、今まで登った、剱岳、大キレット、不帰ノ嶮等の難所よりも、恐怖を感じました。関東百名山で、これ以上に難しい山も無いと思われるので、難易度星5つに認定です。

参考情報

駐車場は、登山道入口の少しさきの路肩のような所に2,3台。登山道入口のそばにトイレもあります。

西岳で目的を達成したと感じたのでもう一つのピーク東岳には登りませんでしたが、東岳から眺める西岳は岩峰らしい迫力満点の景色が楽しめるようです。下山後写真を見ると、二子山の凄さを伝える写真が残っていない。。。東岳も登っておくべきでした。