登山記録
登山日 | 2017年05月20(土) |
天気 | 快晴 |
駐車場 | - |
コース |
登山: 黒島登山口(10:30)⇒千代池(11:10)⇒裏砂漠展望地(12:05)⇒天空の丘(12:45)⇒天上山山頂(13:20) / 2時間50分 (CT: 3時間15分) |
下山: 天上山山頂(14:00)⇒白鳥登山口(14:30) / 30分 (CT: 90分) |
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山の紹介
いよいよ、関東百名山一筆書き踏破も最後の時を迎えました。最後の百座目は伊豆諸島の神津島にそびえる天上山です。火山特有の景観が広がる山をオオシマツツジの咲く時期を狙って訪れました。
神津島観光協会が提供している天上山トレッキングコースの山頂完全周遊コースを辿って、最後の山をじっくりと堪能させて頂きました。
写真 黒島登山口より天上山山頂へ
いざ神津島!
神津島は、伊豆諸島のひとつ。深夜に東海汽船の客船で横浜を出発し、伊豆大島、利島、新島、式根島とたどって、約10時間かかって神津島へ。
神津島は、その昔、神が集いし島神集島とも呼ばれていたそうで、名前にふさわしい神々しい景色です。
お出迎え
船の到着時には、島中総出(?)で神津島への訪問を大歓迎してくれます。関東百名山最後にふさわしい旅になりそうで、この時点でワクワク感満点です。
黒島登山口
この日宿泊する宿の方に、車で登山口まで乗せて頂きました。
天井上には、黒島登山口、白島登山口の2つの登山口がありますが、何故かこの黒島登山口の方が、登山時によく使われるようです。
杖は無料で借りることができ、下山時に返却すればよいそうです。(今回、私は杖・ストック無しで登りました)
オオシマツツジ
登山開始早々、この日のお目当てのひとつオオシマツツジのお出迎えです。(登山口までの道にもたくさん咲いてましたが。)普通のヤマツツジと比べると、葉に光沢があり、花がやや肉厚なのが特徴なのだそうです。この時期、天上山のいたる所でこのツツジを見ることができます。その他、白いシャリンバイの花も山全体で咲いていました。
急登
登山口からは、このような階段のジグザグ急登が続きます。高低差は300メートルほどありますが、1合目から10合目まで標識があり、精神的に楽な登りでした。
オロシャの石塁より
急登を登り詰めた所にあるのが文政の石積跡もしくはオロシャの石塁跡と呼ばれるところ。江戸時代に外国からの攻撃に備えるために作った石塁の跡らしいです。
船の到着した港と、その周辺の村落を見下ろす眺めがとても素晴らしいです。
千代池
ちょっと下ったところにあるのが、千代池。天上山にいくつかある池の中で最大のものらしいですが、数日間雨が降っておらず、水がほとんど枯れた状態で少々残念。でも、コケの色がとてもきれいでした。
緑と岩の山々
千代池の先を少し登ると樹林帯を抜け、山の景色が広がります。新緑の緑と、岩が点々と見えるのが妙にマッチ。写真でしか見たことはありませんが、屋久島の宮之浦岳の山頂付近の景色に似てる気がしました。(山頂でお話しした、実際に宮之浦岳に登ったことのあるという方もそうおっしゃっていました。)
表砂漠
少し先に進むと 緑の山が一転し、砂と岩の景色が出現します。ここが表砂漠と呼ばれるところ。天上山は、西暦838年に噴火した記録もあるれっきとした活火山なのだそうです。
裏砂漠
さらに進むと、さらに広大な荒涼とした景色。こちらが裏砂漠。
砂漠!!
ここを降りると、まさに砂漠の雰囲気!こんな景色は、今までに見たことがありませんでした。
たくましく生きる
そんな砂漠の中でも、岩にへばりつくようにオオシマツツジが美しく咲き誇っています。自然の植物はたくましい!
三宅島(裏砂漠展望地より)
裏砂漠のすぐ裏は海が見える崖。はるか遠く見える島は三宅島。
新島・式根島(新東京百景展望地より)
少し北側にある新東京百景展望地から望む、伊豆諸島の新島(右)と式根島(左)。朝、船が立ち寄った島が見えるのは感慨深いです。
手前のバームクーヘンのような地層が面白い。その辺りは櫛ヶ峰という山で、以前はそこまで登山道があったそうなのですが、残念ながら現在は崩壊して通行止めのようです。
不動池
不動池の場所なのですが、完全に干上がった状態。水がある時は、中の島が印象的なきれいな池のようなのですが、残念でした。
古くて危険・・・
中の島に行きたくなりますが、残念ながら古くて危険とのことです。
その先、道を分岐して少し登ったところが、天空の丘と呼ばれる場所。ここは、まさに360度大パノラマが開ける場所で、海の青、山の緑、砂の白のコントラストが素晴らしいです。
いざ天上山山頂へ
白島下山口付近までやってきました。ここまで、天上山の山頂を避けるかのように、山上台地をぐるっと周回しましたが、左側にいよいよ山頂が見えてきました。
まさに火山。富士山の馬の背っぽい。
天上山山頂 (標高: 572m)
そして、
天上山山頂、標高572メートルに登頂!
そして、この瞬間に、
関東百名山一筆書き踏破達成!
2015年2月に最初の鎌倉の天園を出発し、2年と3か月で無事すべての山を登ることができました!
そして、山頂からは、小さな離島、600メートルにも満たない山とは思えない、素晴らしい景色が広がります!
写真 下山、お別れ
白島登山口
山頂の景色を十分に楽しんで下山開始。白島登山口への下りは、途中からは森の中の道。コースタイムの3分の1で駆け下りました。
登山口で杖を借りた方は、ここで返却してください。
前浜
下山後は、神津島温泉保養センターに立ち寄り汗を流しました。最後に船着き場付近の前浜へ。白いな砂浜に、美しい海。まさに、南国の島ですね。
この日は、この近くの宿で一泊。金目鯛の刺身・煮付が最高においしかったです。
さらば神津島
翌朝はもう神津島を離れる日。出航の時も、大勢の島の人たちが見送ってくれました。名残惜しいですが、紙テープでお別れです。
さようなら~、また来ま~す
そして、漁船が3隻。しばらく客船のに寄り添って、手や旗を振ってくれていました。
関東百名山最後の山。島の人たちの暖かいおもてなしも加わって、忘れられない最高の山・最高の旅となりました。
これにて関東百名山一筆書き踏破の旅完結です!
感想
緑に覆われた名もなき無数のピーク、オオシマツツジ、シャリンバイをはじめとした花々、砂・岩の景色が広がる表・裏の砂漠、そして、時折見える海。
わずか572メートルの標高にして、このバリエーションの豊かさには驚きを隠せませんでした。
お天気にも恵まれ、関東百名山最後の一座は最高の一座となりました。
参考情報
神津島への東海汽船の船は、東京竹橋発で、週末は横浜も経由します。夜を過ごすことになるので、寝台風個室の特二等の部屋がリーズナブルでおすすめです。
時間を短縮したい場合は高速船や、調布空港からの飛行機もあるそうです。
島内にはバスがありますが、本数は少ないです。天上山以外も訪れたい方は、時刻表を事前によく確認してください。
時間があれば、島の反対側にある、多幸湾にも足を延ばしたいところ。海と天上山の景色が抜群に美しいそうです。(私は時間がなくて行くことができませんでした)
登山道はとてもよく整備されています。ただし、コースがたくさんあり分岐が多いので、地図をよく確認して、迷わないようにご注意ください。危険な箇所はほとんどありませんが、白島登山口の下りは、滑りやすい岩段が続きますので、少し注意して下りてください。
少し大回りにはなりますが、裏砂漠はぜひとも訪れてほしい場所です。他ではなかなか見ることのできない砂の世界が広がります。
神津島温泉は強塩泉で、舐めるととてもしょっぱいです!おすすめの温泉です。