グレート百名山3つ


平ヶ岳

( ひらがたけ) 2,141m 日本百名山
新潟県魚沼市、群馬県みなかみ町
長い登山道の先に広大な湿原

体力 :
難易度:
満足度:

(写真: 姫ノ池から望む平ヶ岳)

平ヶ岳の紹介
どんな山?

平ヶ岳は、尾瀬の北側、新潟県と群馬県との県境に位置する山です。山頂の北側は平坦な場所が多く、池塘のある高層湿原が広がっています。
鷹の巣の登山口からの往復がコースタイムで12時間と非常に長く、しかも途中に山小屋が無く、緊急時を除いてキャンプも禁止されているため、日本百名山の中で日帰り最難関と呼ばれる山です。

コース紹介

平ヶ岳の登山道として一般的な東側の鷹の巣の登山口から往復しました。これが往復12時間のルートです。

登山記録
登山日 2018年7月15日(日)
天気 晴れ
駐車場 鷹の巣登山口
コース 登山口(4:30)⇒下台倉山(6:30)⇒台倉山(7:25)⇒白沢清水(8:20)⇒(9:40)池ノ岳(9:50)⇒平ヶ岳(10:15) / 5時間45分 (CT 6時間30分)
平ヶ岳(10:30)⇒玉子石(11:20)⇒池の岳(12:00)⇒白沢清水(12:45)⇒台倉山(13:35)⇒登山口(16:00) / 5時間30分 (CT 5時間30分)
平ヶ岳登山口から平ヶ岳山頂へ

鷹の巣

平ヶ岳への登山口は、国道352号線の鷹の巣という場所にあり、その脇に20台ほどのスペースがある駐車場があります。
自分が到着したのは前日の夕方5時半頃でしたが、三連休のこの日は残り2台分しかスペースがないという状態でした。
ただし、この斜め向かいや、少し離れた所には駐車できる路肩もいくつかありますので、もしここが満車でもあきらめる必要はありません。

登山口 (標高: 840m)

登山口の脇には登山届のポストとトイレもあります。トイレは外観からは仮設トイレのように見えますが、中は意外と綺麗で清潔なトイレでびっくりしました。
準備を整えてここから登山開始です。

木の根

登山道は、出だしはゆるやかな道ですが次第に斜度を増します。前半はこういった木の根の急な段がいくつかあります。でも、これはまだ序の口。

ヤセ尾根

途中からこのヤセ尾根を登るようになります。ここからが本格的な登り。両側が切れ落ちたナイフリッジのような場所が2か所ありますが、慎重に歩けば問題ありません。
朝日に照らされた尾根が美しかったです。

岩場の連続

さらに岩場が連続するようになります。それぞれの岩場は特別危険なわけではありませんし、ちょっと危険な箇所にはロープが張ってありますが、とにかく数が多く、慎重かつ素早く通過できないと、時間をロスしてしまいます。

急登は続く

しばらく急登・岩場のヤセ尾根が続きます。でも山の上に延びる尾根の景色はとても美しいです。谷川岳の西黒尾根にも似た雰囲気でした。

下台倉山 (標高: 1,604m)

尾根を登り切って下台倉山に到着。
この日は下界の最高気温の予想が40度とも言われた日。日差しを遮る木が少ない尾根の登りは太陽の直射日光を受け、暑さでかなりダメージを受けました。

遥かなる平ヶ岳

台倉山に向かう途中で、遠くに平ヶ岳らしき山が!でも遠い。。。
台倉山までは地図では平らそうですが、実際には細かいアップダウンが多く意外とキツいです。

台倉山 (標高: 1,696m)

三角点はあるものの、何の標識も無い台倉山山頂

台倉清水

台倉山から少し下りたところが台倉清水。ちょっと下に水場があるのだそうですが、この日は枯れているとのことでした。

白沢清水

何度かアップダウンしながら白沢清水に到着。この場所の隅の方に水たまり(?)があってそこが水場らしいのですが、水は出ていないようでした。(それでも、水たまりの水を汲んでいる人がいらっしゃいましたが・・・)

池ノ岳へ

少し進むと池ノ岳への登りが始まります。登山口から5時間近くあるいてのこの登りはとにかくキツかった。。。
でもこれを登りきると・・・

池ノ岳・姫ノ池 (標高: 2,080m

池ノ平に到着。山頂は池塘になっていて、姫ノ池という少し大きめの池があります。この眺めが平ヶ岳随一の絶景で、その前の登りの疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれました!写真左側の山が平ヶ岳です。

池ノ岳全景
池ノ岳全景

平ヶ岳へ

池ノ岳の絶景を楽しんだら、いよいよ平ヶ岳山頂を目指します。草原に囲まれた気持ちの良い木道を歩きます。

到着!

展望台のような所が見えたら、ようやく山頂に到着です!登りだけで5時間45分。遠かった!長かった!でも、この山頂付近の景色は素晴らしかったです。

平ヶ岳山頂周辺を散策して下山

平ヶ岳山頂!?

展望台(?)を右に曲がったところに三角点と山頂を示すかのような標識があります。標識では2141メートルとなっていますが、実際はこの三角点の標高は2139.6メートルで平ヶ岳の最高点ではありません。

平ヶ岳最高地点 (標高: 2,141m)

展望台をさらに進んだところが平ヶ岳の最高地点、2,141メートルです!一番奥の標識の所で通行止めになっていますが、本当の最高点はもう少し先のような気も・・・
ここは湿原が広がっていて、さらにその周囲にはたくさんの山々が並んでいます。

平ヶ岳最高地点からの眺め
平ヶ岳最高地点からの眺め

玉子石

平ヶ岳山頂から池ノ岳に戻る所から、ちょっと分岐して奥に入った所にあるのが、平ヶ岳の名物玉子石。玉子というより、後ろ姿はモアイ像に似た感じ。。ここから見下ろす湿原と周囲の山々の眺めも素晴らしいです。

玉子石付近からの眺め
玉子石付近からの眺め

感想
山頂周辺の湿原の景色は素晴らしく、周囲の山の眺めもよい素晴らしい山でした。かなり長時間の歩行が必要となりますが、晴れていればそれまでの疲れを吹き飛ばしてくれると思います。
登山情報
アクセス
鷹の巣の登山口は駐車場、登山届ポスト、トイレのある登山口です。バスも走っているようですが早朝や夕方の便は無いため、タクシーで来る必要があります。
危険箇所
下台倉山への岩場・急登のヤセ尾根が一番の難所。それぞれの岩場はそれほど危険な訳ではなく、また危険な箇所にはロープが付いていますが、岩場が連続するため、余裕をもって岩場をクリアできる技術・経験と、体力とが求められます。また、下山時は最後にこの難所が下りとなりますので、それまでに無理をせず体力を温存させてください。
また、途中の水場(台倉清水・白沢清水)は枯れている場合が多いそうです。山頂から玉子石に向かう途中の鞍部には水場がありますので、片道分(以上)の水は必ず準備してください。必要な水の量は人それぞれですが、自分は3リットル準備し、その水場で1リットル補給しました。
コースタイム12時間にもかかわらず、山小屋が無く、キャンプも禁止になっています。午後になってテントを担いで登ってくる人もいましたが、感心しませんね。。。
この山は体力・経験がある人のみに許された山です。総合的に判断して、難易度は星4つとしました。初心者の単独の入山は避けてください。
他ルート
平ヶ岳の北西の中ノ岐という登山道からのルートがあり、今回の鷹の巣よりも短時間で登ることができます。その登山道までは長い林道があり、一般車両は通行禁止になっているのですが、銀山平から送迎してくれる宿があるのだそうです。
温泉
鷹の巣登山口の近くに温泉はなく、最寄りの温泉は桧枝岐村か銀山平になります。
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