グレート百名山3つ


薬師岳

( やくしだけ) 2,926m 日本百名山
富山県富山市
どっしりと美しく佇む北アルプス最奥の名峰

体力 :
難易度:
満足度:

(写真: 薬師平付近からの薬師岳)

薬師岳の紹介
どんな山?

薬師岳北アルプスの中央部に位置する山で、どっしり大きい山容と、緑で覆われた山肌が美しい魅力的な山です。
山頂からは剱岳・立山をはじめ北アルプス北部を見渡すことができ、眺めてよし、登ってよしの素晴らしい山です。

コース紹介

富山県南部の有峰湖のほとりにある折立から入山。山小屋のある太郎平を経由して薬師岳山頂に登頂します。

登頂後は薬師峠キャンプ場でテント泊。翌日は黒部五郎岳を登りました。

登山記録
登山日 2019年8月17日
天気 晴れ時々曇り
駐車場 折立駐車場
コース 折立(5:15)⇒1,871m地点(6:45)⇒五光岩ベンチ(8:15)⇒太郎平小屋(9:10)⇒薬師峠(9:30)⇒薬師岳山荘(10:50)⇒薬師岳(11:40) / 6時間25分(CT:8時間10分)
薬師岳(11:55)⇒薬師岳山荘(10:25)⇒薬師峠(13:20) / 1時間25分 (CT: 2時間)
折立より薬師岳へ

折立駐車場

折立は北アルプスの中心近くにある登山口。有料道路の有峰林道で新折立トンネルを抜けて、すぐの所にこの駐車場があります。林道は夜の8時から朝6時までは通行止めになっていて、私は前日の夜に到着し車内で夜を明かしました。
アクセスの悪い場所にしては、100台ほどのスペースがある広い駐車場。さらに先には臨時駐車場もあり、キャンプ場にもあって、もちろんトイレもある立派な登山口です。

薬師岳登山口 (標高: 1,360m)

登山口は駐車場の先、バス停のすぐそばにあります。その名も薬師岳登山口
この奥、左側に見えるのが折立ヒュッテという建物ですが、宿泊はできず、キャンプ場の受付、休憩所となっています。装備を整えていざ出発!

長い登り

折立から太郎平までは、コースタイム5時間の道をひたすら登る長い登山ルート。特に急な場所、危険な場所はなく、道も明瞭でよく整備されていますが、所々木の根の段などはあります。

標高1869.9M地点

三角点のある地点。少し前の地図では、1869.9メートルとなっていますが、標識によると現在は1870.6メートルとのこと。ベンチもあるので、一息入れてください。

森林限界を超える

三角点を過ぎると、まもなく森林限界を超えます。ここからは見晴らしが良く、気持ちの良い稜線歩きが続きます。

有峰湖

降り返すと、登山口の近くにある有峰湖がはるか眼下に。結構登ってきたなと実感できます。

五光岩ベンチ (標高: 2,189m)

三角点の後、何か所かベンチのある場所があるのですが、この広い場所が五光岩ベンチ
後で気づいたけど、向かいにある五光岩を眺めるためのベンチだったみたいで、、完全にスルーしてしまいました。。

天空の稜線

緩やかで気持ちの良い稜線はまだまだ続きます。右奥に見える小高い丘が太郎山
アルプスの少女ハイジが遊んでそうな場所ですね。

太郎平小屋 (標高: 2,330m)

折立から4時間ほど(コースタイム5時間)で立派な小屋のある太郎平に到着。テントの荷物を背負った割には早く到着しました。

分岐点

太郎平は四方向の分岐点になっていて、左はこれから向かう薬師岳、右は黒部五郎岳、その先すぐに最後の秘境とも言われる雲ノ平への分岐があります。どこへ行っても天国のような場所。北アルプスの裏玄関といったところでしょうか。

薬師岳方面へ

まずは、左側の薬師岳方面へ。
木道の雰囲気も良し、秘境というか楽園というか、とにかく歩いて気持ちよい場所です。
ずっと雲の中で見えなかった薬師岳もようやく彼方に見えてきました!

薬師峠キャンプ場 (標高: 2,294m)

少し下った所が薬師峠で、この日宿泊するキャンプ場になっています。テントの荷物を置いて、身軽になって薬師岳へ再度出発!

岩ゴロゴロ

その先が、薬師岳への唯一の難所。岩がゴロゴロ、途中まではにもなっていて、道も少し迷い易いです。マーキングは随所にあるので、注意しながら進みましょう。

薬師平 (標高: 2,480m)

岩場を通過して、少し開けた所が薬師平。秘境感がたまりません。。

薬師岳見えた!

そして、ついに薬師岳が目の前にその姿を現しました。穂高の吊尾根にも似た、屏風を広げたような姿に緑の山肌。とにかく美しい!

お花畑

花の百名山にも選定されている薬師岳。数日前の台風で花もだいぶ散ってしまったようですが、まだまだ夏の花も残っていました。

さらばチングルマ

とはいえ、夏の高山植物の代表選手チングルマは花はほとんど見つからず、綿毛の姿となっていました。8月中旬ですが、山の上は秋の気配。

秘境感

薬師岳の西側、名もなきピークに名もなき高原ですが、秘境感が漂うなんともいい雰囲気の所。ここに道を作れば、雲ノ平並みの名所になるような気もするのですが、でも乱開発はしてほしくないような・・

薬師岳山荘 (標高: 2,700m)

急に現れる薬師岳山荘。薬師岳はもう目の前!
でも雲って来たのがちょっと不安・・

ガレ場の登り

山頂へはガレ場の登り。道が分かりにくいので、特にこんなガスの日は慎重に。酸素が薄いため、ここの登りがこの日一番キツかった。

避難小屋

山頂に到着!
と思ったら、ここはまだ山頂ではなく、避難小屋のある小ピーク。

山頂へ

左に少し折れた先が本当の山頂です(写真ではガスの中)。距離は短いけど、ちょっとした岩場もあるので慎重に。

薬師岳山頂 (標高: 2,926m)

そして、薬師岳山頂、標高2.926メートルに到着!
とても大きな山。あとちょっとで標高3,000メートルという高山。折立の登山口からはかなりの距離・標高差ですが、途中の景色が素晴らしすぎて、全く飽きずに、疲れもあまり感じずに登頂することができました。

薬師如来

薬師岳は山岳信仰の対象にもなった山。その名の通り、薬師如来を祀った祠が山頂にあります。中には銅剣などの宝具があるのだそうです。
山頂ではなかなかガスが晴れてくれませんでしたが、後立山連峰の姿が見え隠れしました。

薬師岳山頂からの展望
薬師岳山頂からの展望

おまけ

峠の我が家

薬師岳登頂後は薬師平キャンプ場で久しぶりのテント泊
広いキャンプ場。お盆の時期にしては意外と空いていました。管理人もいて、綺麗なトイレと水場もすぐ脇にあり、ビールまで売っている至れり突くセリのキャンプ場でした。

夕暮れの太郎平

日の入りまでは時間もあったので、薬師峠と太郎平の間の道をウロチョロ。
日の入り前の山の景色って美しいですね。

染まる薬師岳

日の入り前の薬師岳。この日の夕焼けにはあまり赤くは染まらず、ほんのり赤い山肌でした。

翌朝、太郎山からの薬師岳

そして、一夜明けて、太郎山からの薬師岳。
翌日は薬師岳を背にして、黒部五郎岳に向かいます!

感想

これまで近くから眺めたことはことはなく、大きい山という以外にはあまり印象は無かったのですが、実際に登ってみて、こんなに美しい山だったんだということをはじめて認識しました。
北アルプスの山というと、岩稜のイメージが強い山が多いですが、薬師岳までは穏やかな道が続きで、山肌は緑も多く、人も少なめで、むしろ南アルプスに近いイメージの山でした。

登山情報
アクセス

折立はキャンプ場やトイレもある立派な登山口です。駐車場も広いですが、ピーク時にはかなり混雑するのだとか。
折立までは立山町からの有料道路の有峰林道を使う必要があります。有峰林道は午後8時から午前6時までは通行禁止となっています。

危険箇所

薬師峠から薬師平までの岩場が道がやや危険な場所。山頂付近のガレ場も慎重に。

他ルート

ロングルートになりますが、立山方面からの縦走が可能です。

温泉

有峰林道の入口のすぐそばにある白樺ハイツは硫黄泉でなかなかいいお湯でした。

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