グレート百名山3つ


鳳凰山

( ほうおうさん) 2,840m 日本百名山 花の日本百名山
山梨県南アルプス市・韮崎市・北杜市
花崗岩の白い山肌にそびえ立つオベリスク

体力 :
難易度:
満足度:

(写真: 地蔵岳山頂にそびえる奇岩”オベリスク”)

鳳凰山の紹介
どんな山?

鳳凰山南アルプスの北東部に位置する地蔵岳、観音岳、薬師岳の3つの山の総称で、いずれも花崗岩でできた白い山肌が印象的な山です。地蔵岳山頂にそびえる巨岩オベリスクは、その中にあってきわめて特徴的な存在で、その嘴のような形から鳳凰山という名前が付いたとも言われています。

コース紹介

東側の青木鉱泉を出発してドンドコ沢と呼ばれる急登が連続する登山道をを登り、日帰りで三山を縦走する少しチャレンジングなコースを歩きました。標高差は1,700メートル以上、コースタイム約13時間です。

登山記録
登山日 2017年6月17日
天気 快晴
駐車場 青木鉱泉駐車場
コース 青木鉱泉(5:00)⇒五色滝(8:35)⇒(9:25)鳳凰小屋(9:45)⇒(10:30)地蔵岳 / 5時間30分 (CT 7時間20分)
地蔵岳(10:50)⇒(12:10)観音岳(12:30)⇒(12:45)薬師岳(12:55)⇒青木鉱泉(15:50) / 5時間 (CT 5時間45分)
青木鉱泉より地蔵岳へ

青木鉱泉 (標高: 1,100m)

鳳凰三山日帰り縦走の出発地点はここ青木鉱泉。南アルプスの麓にひっそり佇む温泉宿です。由緒正しき和式家屋という感じのいい雰囲気の建物ですね。登山届もここで提出。すぐ脇に登山道入り口があります。

遥か遠く

最初のうちは林道歩き。鳳凰山らしき稜線が遥か遠く、遥か高くに見えます。ここから、ドンドコ沢を登ります。

ひたすら登る

しばらくすると、登山道らしい道に。地図では、しばらく緩やかな登りだと思っていたのに、最初から結構な急登です。しかも延々と続くので覚悟してください!

名もなき滝

樹林帯の単調な登りが続きますが、ちょっとした滝がありました。地図で調べても、名前はわかりません。
このあたりから花がちらほら見られるようになります。

ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ
ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ ヒメレンゲ、マイヅルソウ、シロバナノヘビイチゴ、ミツバツチグリ、イチヨウラン、ズダヤクシュ、ツルネコノメソウ、キバナコマノツメ

岩場

だんだんと坂も険しくなり、ちょっとした岩場も出てきます。

白糸の滝 (標高: 1,942m)

途中、ドンドコ沢沿いには滝がいくつかあるのですが、いずれもメインの登山道から少し脇に入らないと見ることはできません。長時間の移動のため、南精進ノ滝、鳳凰ノ滝はパス。初めて見たのがこの白糸の滝。この辺りも急登がつづきます。でかなりの疲労もたまってきました。。。

五色の滝

そして登山道のすぐ脇から見える五色の滝。高さもあってなかなかの迫力。

富士山

ふと振り返ると富士山。雲の上に浮かび上がる姿がなんとも神々しい!

山頂が見えた!

そして、ようやく急登も一段落し景色が開けてきました。そして、山頂もだいぶ近くに。オベリスクも見えます!

鳳凰小屋 (標高: 2,382m)

そして鳳凰小屋に到着!ドンドコ沢の登山道は急登が続くうえに、なかなか休憩に適した場所がありません。この小屋ベンチでようやく一息入れることができました。スタッフの若いお兄さんがとても愛想よく、親切そうでした。

砂の急斜面

鳳凰小屋を出て少し登ると、景色が開け、ようやく山頂が目の前に山頂が近づいてきます。が、、、ここが最後にして最大の難所!!
砂の急な斜面のため、せっかく前に進めた足がズルズル滑るのです。(決して誇張ではありません。)かなりの体力を奪われることを覚悟しておいてください。ここを登るには、できるだけ踏み跡がありそうなところを、できるだけジグザグに登るのがよいと思いました。

地蔵岳 (標高: 2,764m)

そして、砂の急斜面を登りきると、写真でよく見る景色!ようやく、地蔵岳山頂、標高2,764メートルに到着です。登山口からひたすら登ること5時間半。長かったー&疲れたー。
正面の黒く大きな岩がオベリスク山の上とは思えない白砂、梅雨入りしたとは思えない青空と、この素晴らしい景色が疲れを一瞬忘れさせてくれました。

賽の河原

地蔵岳頂上は賽の河原とも呼ばれる所。たくさんのお地蔵さんが並びますが、子宝に恵まれない方がここでお地蔵さんを1体借りて、子供が授かったら2体にして返すという風習があるのだとか。

甲斐駒ヶ岳

そして右側の岩峰が甲斐駒ヶ岳。ガスがかかっているのが少し残念ですが、さすがの存在感です。

鳳凰三山を縦走し下山

白根三山

地蔵岳からの景色を楽しんだら、二座目の観音岳へ。地蔵岳の先を少し登った赤抜沢ノ頭と呼ばれる所まで登ると、日本第二位の高峰北岳の姿がどーんと目の前に飛び込んできます。その左に間ノ岳、さらに農鳥岳。これら三つで白根三山です。

イルカ(?)と北岳

少し下って鞍部のあたりで北岳の方をふと見ると、イルカの形によく似た岩がありました。北アルプス燕岳付近くのイルカ岩と槍ヶ岳にも似た光景。見つけてちょっとうれしかったので、写真撮影しました。

振り返る

ふと振り返ると、地蔵岳とその付近の岩と白砂、そして青空のコントラストがとてもきれいでした。

観音岳への登り

観音岳への登りは、地蔵岳への登りと同様、滑りやすい砂の斜面となります。地蔵岳よりはこちらの方が登りやすいですが、疲労も限界でもうクタクタ。。。足も止まって死にそうでした。。。

観音岳山頂 (標高: 2,840m)

ようやくたどり着いた観音岳山頂、標高2,840メートル!ここが、鳳凰三山の最高地点。とにかく疲れました。それ以外の感想が浮かびません。。

薬師岳へ

休憩して、鳳凰三山最後の薬師岳へと向かいます。薬師岳も白砂と岩の山。そして、その先に富士山の姿もちらり。稜線上では、高山植物もちらほらみられます。

ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ
ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ ウラシマツツジ、コイワカガミ、ヒメイチゲ?、キバナシャクナゲ、クモマナズナ

薬師岳山頂(標高: 2,780m)

その先は、それまでと比べるとはるかにゆるやかな稜線となり、薬師岳山頂、標高2,780mに到着。午後1時ともなると、南アルプスの山々もだいぶガスってきました。

奇岩

オベリスクほどのインパクトはありませんが、薬師岳山頂付近にも不思議な巨岩がたくさん散らばっています。間には、富士山がちょこっと顔を出しています。

中道

薬師岳でしばし景色を楽しんで、下山開始。下山道は中道と呼ばれる道になります。上部にはまだ雪が残っていましたが、雪は柔らかく、距離も短いため、アイゼンは不要でした。
この先は標高差約1,500メートルを一気に下りますが、正直、単調で長~い下りです。

林道

下山は、途中たいした見どころもなく、ただただ下って下って、ようやく林道に出ます。
ただし、この先も駐車場の青木鉱泉までは、標識通り40分かかりました。
時間にして11時間弱。今までの山行の中で一番疲れたかも・・・

感想

既に梅雨入りしていたとは思えない見事な晴天で、鳳凰三山縦走を存分に楽しむことができました。特に地蔵岳のオベリスクは、見事な青空をバックに素晴らしい景色でした。

が、、、日帰り縦走は正直ハード。よほど体力に自信のある人か、日帰り縦走に挑戦してやろう(=自分)!という意気込みのある人以外にはお勧めしません。。縦走するのであれば、夜叉神峠か、広河原からの1泊ぐらいがちょうどよいのではないかと思います。

登山情報
アクセス

青木鉱泉には、100台ほど収容できる広い駐車場があります。(それでも、この日はかなり満杯に近い状態でした。)
また、夏山シーズンにはJR韮崎駅からのバスも運航されるそうです。

危険箇所

ドンドコ沢の登りは、それほど危険ではありませんが、一部岩場があります。

地蔵岳、観音岳直下の砂の急斜面は非常に歩きづらいです。踏み跡がある場所を選んで、できるだけジグザグに登るのが良いと思います。

地蔵岳から観音岳までは、迷いやすい箇所が数か所あります。間違うと目の前がガケという場所もありますので、赤のペンキを注意して辿ってください。

他ルート

本ルート以外にも、東の御座石温泉、南の夜叉神峠、西の広河原などの登山口がありますが、いずれのルートもかなりの時間・体力を要する山行となります。

温泉

青木鉱泉の日帰り温泉で汗を流すのがよいかと思います。(1,000円)

このページについて