グレート百名山3つ


悪沢岳(荒川東岳)

( わるさわだけ) 3,141m 日本百名山
静岡県静岡市葵区、長野県下伊那郡大鹿村
南アルプスを見渡す日本第6位の高峰

体力 :
難易度:
満足度:

(写真: 丸山から望む悪沢岳(左))

悪沢岳(荒川東岳)の紹介
どんな山?

悪沢岳は、南アルプスの中央部に位置する山です。3つのピークからなる荒川岳(荒川三山)の最高峰で、荒川東岳とも呼ばれます。標高3,141メートルは日本第6位の高峰です。

コース紹介

南アルプス南部の玄関口椹島より、標高差1,500メートルをひたすら登り続けて千枚小屋で一泊。
翌日に千枚岳でご来光を楽しんで、最高峰の悪沢岳へと登ります。

荒川三山を登った後は、南にある赤石岳へと縦走します。

登山記録
登山日 2018年8月14日(火)-8月15日(水)
天気 晴れ・くもり・雨
駐車場 畑薙ダム臨時駐車場
コース 椹島(8:45)⇒鉄塔下(9:45)⇒小石下(10:45)⇒(11:35)清水平(11:45)⇒見晴台(12:35)⇒駒鳥池(13:35)⇒千枚小屋(14:10) / 5時間25分 (CT 6時間35分)
千枚小屋(3:55)⇒(4:40)千枚岳(5:15)⇒丸山(6:00)⇒(6:30)悪沢岳(6:55)⇒中岳(8:00)⇒前岳(8:10) / 4時間15分 (CT 4時間10分)
椹島より千枚小屋へ

畑薙第一ダム夏季臨時駐車場

悪沢岳、赤石岳の登山口となる椹島へは、途中から通年でマイカー規制が敷かれており、畑薙第一ダム夏季臨時駐車場から椹島まではバスに乗る必要があります。
バスの始発は7:30ですが、登山者が多い時は、それよりも早く臨時便が出る場合があります。この日は7時頃に臨時便が出ました。

椹島ロッジ (標高: 1,123m)

マイクロバスはダート道を1時間ほど走り椹島ロッジに到着。ここは、トイレ・売店・宿泊施設もある登山基地となっています。準備を整えたら悪沢岳に向けて出発!

吊り橋

椹島から悪沢岳への登山道は、以前は滝見橋の脇に登山道入り口がありましたが、その先に新しくできた吊り橋が完成したことにより、登山道が変更になりました。旧登山道は既に閉鎖されています。

急登

吊り橋を渡って、新しい登山口に入ると、いきなりの急登!階段に岩など、ここが千枚小屋までで最も険しい所でした。

鉄塔下

山と高原地図によると、鉄塔下という場所がありますが、新しい登山道では、鉄塔の下を2回通過します。
はじめの鉄塔の地点で、そんなにペースが速い訳はないんだけど・・・と思っていたら、2回目の鉄塔の地点がが地図の鉄塔下の場所です。

岩頭見晴より

少し進んで、岩頭見晴という地点。椹島での天気は快晴だったのですが、次第に曇りはじめていて、この地点では悪沢岳らしき山の山頂付近は既にガスで隠れていました。。

林道・階段

一度、車の通る林道に出て、この鉄の階段で再び山に入ります。

小石下 (標高: 1,587m)

ベンチ・三角点のある広場が小石下。残念ながら眺望はありませんが、休憩するにはもってこいの場所。
この少し先でもう1度林道と登山道が交差します。

清水平

その名の通り水場になっている清水平。標識のある場所より少し下の(この写真の)場所の方が水量は豊富です。
この日もこの時点まではとても暑く、水場はとてもありがたかったです。

樹林帯の登り

清水平は千枚小屋までのほぼ中間地点。さらに延々と樹林帯の中を登ります。天気は次第に曇りからへ・・・

見晴台

湿地っぽい蕨段や、その名の通り展望の楽しめる見晴台を通過しますが、降り出した雨の中で山を楽しむ余裕もなく、とにかく前へ進みました。

千枚小屋

駒鳥池も素通りして、ようやくこの日の宿千枚小屋に到着。
雨の中を歩いてきた人にとっては、山小屋はまさにオアシス。現在の建物は2012年に建て替えられたのだそうで、内装もとてもきれいな山小屋。食事(この日はハンバーグ)もおいしかったです。

千枚小屋~千枚岳~荒川三山

千枚小屋出発

翌日は、千枚岳での御来光を迎えるため、朝の4時頃、まだ暗いうちに小屋を出発しました。もちろんヘッデンを装着。

千枚岳 (標高: 2,880m)

無事、日の出前に千枚岳に到着。先には丸山と、その奥に目指す悪沢岳も見えています。
この山頂で、この日のメインイベントの御来光を期待しながらしばしの待機。

御来光

千枚岳山頂で待ことと15分ほど。
待望の御来光with富士山!!これを見れただけでもう満足です。前日の雨のことはすっかり忘れてしまいました^^

悪沢岳・赤石岳

朝日でほんのり赤くそまる悪沢岳(右)と赤石岳(左)
ほんとに来てよかったと思えた瞬間!

岩場・ガレ場

千枚岳から丸山の間に、こういうガレ場を2回下ります。今回のルート一番の難所。と言っても、梯子・ペンキに従って慎重に歩けばそれほど危険な場所ではありません。

丸山 (標高: 3,032m)

鞍部から少し登り返して丸山に到着。この時点で既に標高3,000メートルを超えます。

悪沢岳へ

悪沢岳の前衛峰的な丸山の山頂からは、目指す悪沢岳がもう目の前!

悪沢岳山頂 (標高: 3,141m)

そして悪沢岳山頂、標高3,141メートルに到着!
日本第6位の高峰からの景色は言うまでもなく素晴らしく、南アルプスのほぼ全域を見渡すことができます。

南アルプスの峰々(赤石岳~荒川中岳~塩見岳・仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・間ノ岳・鳳凰三山)
南アルプスの峰々(赤石岳~荒川中岳~塩見岳・仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・間ノ岳・鳳凰三山)

雲の中へ・・・

素晴らしい眺望が楽しめた悪沢岳の山頂。
が、それも長くは続かず、この写真を最後に前日に続いてガスの中に突入します。

荒川中岳避難小屋

景色が見えないとモチベーションも下がりまくりで、後はしばらく歩き続けるだけの時間に・・・
中岳避難小屋を通過。

荒川中岳

標高3,084メートルの荒川中岳。この辺りからも降りだして・・・

荒川前岳

標高3,068メートルの荒川前岳の山頂。もはや何の印象もありません。
この後は縦走で赤石岳を目指しますが、この雨の中どうなることやら・・・

感想

景色を満足に楽しめたのは、千枚岳から悪沢岳の間のわずか2時間ほどの間でしたが、御来光と富士山、そして南アルプスの山々の景色は本当に最高でした。それ以外の時間はほとんど曇り・雨という天気でしたが、それでも十分に満足できる山行でした。

登山情報
アクセス
畑薙ダム臨時駐車場から椹島ロッジまでは、一般の車両は進入禁止となっており、東海フォレストが運営するマイクロバスに乗る必要があります。始発は7:30ですが、登山者が多い場合は、それよりも早く臨時便が出ることがあります。
なお、畑薙ダム臨時駐車場にはトイレはありませんのでご注意を。
危険箇所
登山口からしばらくの登りが岩のある急登です。また、千枚岳から丸山の間は、2か所岩場のヤセ尾根を通過します。
他ルート
塩見岳方面からの縦走路や、椹島より北にある二軒小屋ロッジからのルートもあります。
温泉
椹島ロッジには宿泊者にはお風呂が、宿泊をしなくてもシャワーが使用できます(500円)。
畑薙ダムの駐車場から少し下ったところにある白樺荘には良質の硫黄泉の温泉があります。
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