グレート百名山3つ


常念岳

( じょうねんだけ) 2,857m 日本百名山
長野県松本市、安曇野市
槍ヶ岳・穂高岳の超絶景を楽しむ大展望台

体力 :
難易度:
満足度:

(写真: 常念岳山頂にて)

常念岳の紹介
どんな山?

常念岳は槍・穂高連峰の東側を走る常念山脈の主峰で、ピラミダルで立派な山体をした山です。山頂からは、360度の大パノラマを楽しむことができますが、とりわけ目の前に屏風のように広がる槍・穂高の景色は圧巻というほかありません。

コース紹介

前日は、表銀座縦走路燕岳から大天井岳まで歩きましたが、ここからはパノラマ銀座とも呼ばれる常念山脈を南下し、日本百名山の常念岳を目指します。

常念岳登山後は、常念小屋まで降り、最短ルートの一ノ沢へと下山します。

登山記録
登山日 2016年9月4日
天気 晴れ
駐車場 (穂高駐車場)
コース 大天荘(6:00)⇒東天井岳(6:40)⇒(7:50)常念小屋(8:00)⇒(8:55)常念岳(9:15)⇒常念小屋(9:45) / 3時間45分 (CT 5時間10分)
常念小屋(10:30)⇒胸突八丁(11:00)⇒一ノ沢(12:40) / 2時間10分 (CT 3時間10分)
大天荘より常念岳へ

大天荘を後に (標高: 2,870m)

昨日は燕岳大天井岳と縦走し、大天荘前のテント場で1泊。素晴らしい御来光・モルゲンロートにも出会えて朝から気分は上々!(詳しくは大天井岳のページをご覧ください。)テントも片付けて、大天荘を後にします。

本日は、大天井岳から常念岳へと、パノラマ銀座とも呼ばれるルートを歩きます。


槍穂に見守られて

少し朝もやがかった槍ヶ岳、穂高連峰。この景色を終始右に眺めながらパノラマ銀座を南下します。

1・2・3&常念岳

少し歩き出したとたんに、富士山を発見!昨日の合戦尾根の富士見台ではガスガスで何も見えませんでしたが、まさか翌日見れるとは思ってもいませんでした。

しかも、よく見ると、日本の高峰1位の富士山、2位の北岳、3位の間ノ岳まで見えています。中央が本日目指す常念岳。その少し左側に並んでいます。(1位と2位の間に甲斐駒ケ岳も)

さらに、よくよく考えると、同率3位の奥穂高岳、5位の槍ヶ岳まで、日本の高峰1~5位が見えていることに気づきました。次のパノラマ写真です。どの山か分かるかな??


1・2・3・3・5!
1・2・3・3・5!

パノラマ銀座縦走

パノラマ銀座コース上には、東大天井岳、横通岳といくつかのピークはあるのですが、実際にはそれらのピークには登らず、巻いて進むように道がつけてあります。アップダウンが少ないため、とても快適に歩くことができます。心行くまで景色を楽しんでくださいとの配慮なんでしょうか。。

小さい秋みつけた

東大天井岳の南側斜面は、ほんの一部だけ、紅葉している箇所がありました。北アルプスはそろそろ秋が始まる頃ですね。

ガレ場の下り

東大天井岳の巻き道は、少し下りながら進みます。ご覧の通りのガレた道ですので、ここだけは景色に目を奪われないように注意してください。

ゼイタク

東大天井からの下り坂を下りたあたりからの景色。相変わらずの青い空と、槍穂の稜線が見えます。なんとも贅沢な縦走です!


3,000メートル峰10座!

そして、それまでは雲の中だった御嶽山、乗鞍岳も雲海から顔を出し、なんと3,000メートル峰10座が1枚の写真に!

穂高連峰

そして、次第に迫力を増すのが、雪と岩の殿堂穂高連峰の勇姿!中央のくぼんだ所が紅葉でも有名な涸沢カール。それを取り囲むように聳えるのが、左から前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳。全て3,000メートル峰。こんな壮絶な景色は、日本のどこにもありません。

常念乗越への下り

ずっとおだやかだったパノラマ銀座縦走ですが、常念岳を目の前にして大きく降下します。本当に目の前なのに、なんでここで降りないといけないんだ!!!

常念小屋 (標高: 2,460m)

下りきったところが常念乗越と呼ばれる場所で、そこに立っているのが常念小屋。なんと、正面に槍ヶ岳を眺める小屋なのですね。

常念岳への登り

常念岳への登りは急そうなので、テントの入った大きなザックは小屋の前に置いて、サブサックで身軽な体で登りました。

常念岳への登りは、終始こんなガレ場の急登です。岩だらけでどこが道なのかは分かりにくいですが、赤ペンキのマーキングがたくさん描いてありますので、それに沿って注意しながら歩いてください。


あれが山頂!

ずっと急登で、ピークっぽい所まで登り切った!と思ったら、本当の山頂はもう少し先。でも、あの先が本当の山頂です。ここからは、傾斜も少しゆるくなります。あと一息!

常念岳山頂 (標高: 2,857m)

最後は、岩の積み重なったような所を這い上がって、常念岳山頂、標高2,857メートル登頂!小さな山頂ですが、素晴らしい眺めです。

この日は、朝から槍・穂を眺めながら歩いてきたのですが、遮るもののない大展望は、やはり一味違います。

雲もだいぶ増え始めていましたが、流れる雲と、それと共に見え隠れする槍・穂高の稜線。自然が生み出した奇跡的な造形を、しばしボーっと眺めていました。


常念岳山頂からの大パノラマ
常念岳山頂からの大パノラマ

常念小屋より一の沢へ下山

常念乗越 (標高; 2,460m)

常念岳を下山し、常念小屋のある常念乗越まで戻ってきました。別の登山口から登って来た人は、小屋周辺からタクシーを予約しておいてください。一の沢まではコースタイムで3時間ほどです。

常念乗越は広い場所なのですが、小屋の反対側に下山路があります。一の沢に向けてひたすら高度を下げます。


胸突八丁の下り

燕岳の合戦尾根と同様、ここも胸突八丁と呼ばれる急な坂です。木の根、階段がたくさんあるので、注意してください。

渡渉

途中からは、沢沿いの道となります。一の沢までは、何度も沢を渡ります。丸太の橋がかかっているので問題なく渡れそうですが、バランスを崩さないように注意。

急坂終了

写真では少し分かりにくいですが、「胸突八丁」の指導標が出てくれば、急坂はここで終了。もちろん、ここを登る人は急坂の始まりです。。

沢沿いの道

さらに、沢沿いの道を下りてきます。
長いです。
途中、激流の脇を歩く箇所がありました。写真で見ると怖そうですけど、実際にはそれほどでもないです。ここは迂回路もあるので、怖いと感じた人、水が多い場合はそちらへ。

一の沢 (標高: 1,300m)

そして、ようやく一の沢に到着。1泊2日の表銀座・パノラマ銀座の縦走も完了です!

目の前がタクシー乗り場。(マイカーの駐車場はもう少し下った所にあります。)JR穂高駅まで乗って、マイカーをゲット。あとは、温泉へ!


感想

曇りまたは雨の天気予報を見事に覆し、青空の下、本当に素晴らしい山岳風景を楽しむことができました。

パノラマ銀座からは、終始槍・穂高の景色を眺めることができるのですが、それでも常念岳山頂からの景色は格別です。この景色を見て心を動かされない人はいないでしょう。

日本を代表する美しい山岳風景に乾杯!文句無しの★5つです!

登山情報
アクセス

常念岳に登るのであれば、今回の下山口近くの駐車場が便利だと思います。下山口は、タクシーのみで、駐車場は少し下にあります。

私と同じ経路を辿るのであれば、JR穂高駅から中房温泉へはバス、一ノ沢から穂高駅まではタクシーを予約することとなります。常念小屋を出る時に電話すればよいです。
なお、穂高駅までのタクシー料金は5,000円ほどしますので、できれば何人かで誘い合わせて乗車したいところです。

危険箇所

常念岳への登りは、延々と急登のガレ場が続きます。マーキングが明確についてありますので、それを従って進みましょう。山頂付近は大きな岩が積みあがったような場所なので、さらに注意が必要です。

下りはそれほどの危険箇所はありませんが、胸突八丁の下りは、合戦尾根並みの急坂で、段差の大きな木の根、階段がありますので、少し注意が必要です。

他ルート

南の蝶ヶ岳からの縦走するコースも人気のコースです。

東の三股からのコースは、道が不明瞭で、危険な箇所も多いと、常念小屋で注意書きがありました。また三股への林道も通行止めの場合も多いようです。事前によく確認してください。

温泉

麓には、中房温泉、有明温泉、しゃくなげ荘、温泉健康館などの日帰り入浴可能な温泉があります。また、JR穂高駅周辺にもたくさんの温泉があります。

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