新版 関東百名山 が発売されました

新旧関東百名山 登山

山と渓谷社より関東地方の100の名山を登るためのガイドブック「関東百名山」が発売されました。以前の「関東百名山」との比較を中心にこの本を紹介します。

「関東百名山」について

登山が好きな人で百名山を知らない人はまずいないのではと思います。ただ、百名山といってもいろいろあって、一般的に単に百名山といえば、小説家の深田久弥さんの著書「日本百名山」を指しますが、それが有名になったため、各地方・都道府県にさまざまな百名山が生まれています。

このページで紹介する「関東百名山」もその中の一つ。田中陽希さんの「日本百名山一筆書き踏破 グレートトラバース」を真似て、私も2015年2月から2017年5月に「関東百名山一筆書き踏破 ぷらっとトラバース」というアホな企画で関東百名山を登ってみました。

この時に参考にした「関東百名山」は、1993年に山と渓谷社から発売されたもので(写真右)、登り始めた時には発売から20年以上たっており、この書籍も既に絶版になっていました。(Amazonで中古品を購入しました。)

新版「関東百名山」発売

そして、1993年に発売されてから26年の歳月を経て、同じく山と渓谷社から新たな「関東百名山」が発売されました(写真左)。Twitterのフォロワーでもある登山ガイドの木本康晴さんから教えて頂き、早速購入しました!

本のサイズも少し大きく、ページ数も20ページほど増えたのに伴って、写真や地図、アクセス等の報も充実し、登山ガイドブックとしての魅力も旧版よりも増したように思います。

また、百名山に選定された山も変更されました。その理由について、本書の「はじめに」にこう記されています。

しかし年月の流れは山も山麓も大きく変えた。登れなくなったり興味が薄れたりした山やルートがあり、逆に魅力が高まった山もある。時代の変化に応じて旧版を一から見直し、作り直したのが本書だ。」

新版関東百名山 「はじめに」 より

旧版の百座を登った人間としては、新版でどういった山が新たに選定されたのかはやはり気になるところで、その違いを比較してみました。

選定から漏れた山

まずは、旧版では選定されていたのに、新版では選定から漏れた山です。

  • 群馬県: 草津白根山、湯ノ丸山、稲含山、御荷鉾山、子持山、三峰山、笠ガ岳
  • 栃木県: 女峰山、袈裟丸山、根本山、古峰ヶ原、足利行道山
  • 茨城県: 堅破山、吾国山、加波山
  • 千葉県: 高宕山
  • 埼玉県: 大霧山、鐘撞堂山、笠取山、妙法ヶ岳、秩父御岳山、武川岳、飛竜山
  • 東京都: (なし)
  • 神奈川県: 矢倉岳、神山

日本百名山でもある草津白根山が外れたのはかなり意外でしたが、これはやはり火山活動ためなのでしょうね。その次に意外だったのが女峰山。これは「はじめに」にも具体名を挙げて書かれていて「コースタイムやルートの長さからあえて割愛した」とのことです(ならば皇海山が残っているのは個人的には解せませんが・・・)。その他、外れてもやむなしと思える山もあれば、子持山、笠ガ岳、飛竜山等、何故外れたの?と言いたくなる山もあります。まあ、誰もが納得する百名山なんてのはあり得ないわけで、そこは著者の皆さんの合議の結果ということで納得するしかありませんね。

新たに選定された山

次に、新版で新たに選定された山です。

  • 群馬県: 四阿山、嵩山、岩櫃山、アヤメ平、鹿股山、赤久縄山、大山・天丸山
  • 栃木県: 霧降高原・丸山、鳴虫山
  • 茨城県: 神峰山、佐白山、難台山
  • 千葉県: 鹿野山・マザー牧場、大福山・梅ヶ瀬渓谷、烏場山・花嫁街道、高塚山
  • 埼玉県: 宝登山、蓑山、天覧山・多峯主山
  • 東京都: 蕎麦粒山、三原山、八丈富士
  • 神奈川県: ミツバ岳、不老山

旧版で四阿山が選定されていなかったのは逆に意外なくらいですね。その他、岩櫃山、アヤメ平、
鳴虫山、宝登山、天覧山・多峯主山、三原山、八丈富士、ミツバ岳
などは順当といったところでしょうか。私も、いつかは登ってみたいと思っていた山々です。最も驚いたのはマザー牧場ですが、これも「はじめに」に「ファミリー登山の山も入れたのは将来の山好きが増えることにつながるからだ」と書かれてあります。その他、名前も聞いたことが無い山もいくつかありますが、それは登ってみてのお楽しみとします。

新関東百名山を登るにあたって

関東百名山一筆書き踏破の途中で、山には山それぞれに登るのに適した季節があるということに気づかされました。百座を踏むという行為は達成感はあるものの、正直いい楽しみ方ではなかったなと反省しています。そのことに気づいた私は、99座目の幕山の季節に、100座目の天上山オオシマツツジの季節に、その前の山行からはあえて時間をあけて登り、本当の山の楽しさを実感しました。

新しい関東百名山もいつかは全て登ってみたいと思っていますが、何年以内という目標は全く立てていません。アヤメ平なら初夏か草紅葉の季節、鳴虫山アカヤシオやツツジの咲く4月下旬頃。宝登山はやはりロウバイの咲く1月かな。とにかくいい季節に登って山の魅力を最大限に楽しみたいですね。

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